女性専用風俗 山口秘密基地 (出張専門) | 『ルックバック』

7/9 00:43 UP!

『ルックバック』

AO(アオ) 『ルックバック』
映画『ルックバック』(藤本タツキ原作)を鑑賞してきました。

想うところを記します。


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鑑賞後の余韻にいまだにひたり、いいかげん目を覚ませと

鏡に映るとぼけた顔に冷水をぶつける。

じんと熱感はとれない。

目を開くと鏡の自分と目が合うが、

ふぬけた面が水滴をはじききれていない。
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物語は、二人の少女が成長していく姿を描きます。

”マンガ”を巡っての日常です。

二人を追って小学から中学、大人になるまで舞台を変えますが、

テンポよく、よどみなく進展します。

ですが、たった1時間という短尺の映画が

月日の重みをちゃんと伝えてくれるのが驚きです。




”マンガ”____。大きくは「描くこと」「つくること」。

「描くこと」「つくること」____。同時に「破壊」「奪うこと」。

二人の表現(能動)と表出(受動)の両輪が転がる展開です。





ネタバレ的になりたくはないので作品についての記述は、ここまでにします。

作品の内容に興味のある方は、原作の漫画か、映画か、

またはその両方を見ていただくことをおすすめしたいです。





映画を見ながら、僕は自分の高校生時代を思い出しました。

高校では柔道部に所属していました。

厳しい指導者がいる部活でした。

練習に嫌気がさして辞めたり、怠惰になる部員がいる中

強くなりたいと一生懸命な部員たちには、異様な結束力がありました。

僕は主将になり、副主将のA君と二人三脚で部活をきりもりしました。

仲間でありながら、同じ軽量級の彼とはよきライバルでした。

僕とA君は、部活はもちろん、登下校を一緒にしたり、遊んだりして過ごしました。




高校二年生の夏、A君は漫画家を目指すようになります。

彼は会うたび熱く漫画愛を語りました。

僕は彼を応援していました。

当時の僕は何の目標もなく毎日を過ごしていたので、

彼の将来の展望、いわゆる”夢”を詠う姿は、輝いて見えました。

実際、彼の瞳はギラギラ光を放っていました。




A君は、僕に作画のアシスタントをやってほしいと言いました。

僕は、自信もなくとても吃驚しましたが、手伝うことにしました。



一緒に画材屋に行き、ペーパーやインクやペンを選んだり、

漫画コンテストの応募を手伝いました。



漫画の構成は彼のアイディアをもとに、制作を始めました。

バトル系漫画がその内容でしたが、

「ONE PIECE」の模倣で今思うと陳腐なものでした。

僕らはそれを本気で面白いと思っていました。




ガリガリ、ガリガリ…。

二人でもくもくとペンを走らせます。

ガリガリ、ガリガリ…。

描いても、

描いても終わりません。

ガリガリ、ガリガリ…。


……。


応募した作品は、”順当に”落選しました。

僕らはひどく落ち込みました。

上り坂を登る楽しい日々は終わりました。



彼は卒業後、上京した。

僕は卒業後、渡韓した。



________。





「描かなきゃよかった」
「何の役にもたたないのに」

ルックバックの台詞だ。




勝手に夢に燃えて漫画を描き、落選するという非生産的な試みだった。

それが、何かのきっかけで高校時代のあの日々の記憶が蘇り、

僕に今再び筆をとらせる不思議さ。




”マンガ”のようにライダーキックで敵を撃退!

そんな痛快なことは日常に滅多に起きやしない。多くの日々は単調で、地味だ。

「友情・努力・勝利」ジャンプコミックのテーゼは現実を前にあまりにも儚い。

だから”マンガ”たりえるのかもしれない。




枝分かれして、”あり得たかもしれない別の日々”は、

もうひとつの”マンガ”として心の片隅にしまいこみ

ガラス窓に貼り付けて、「今」に着地するのだ。






山口秘密基地 あお


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