女性専用風俗　東京秘密基地本店　（出張専門） | キリトの孤独のグルメ♯1

朝の松屋。まだ外は肌寒い。
店内には仕事前のサラリーマン、スマホをいじる学生、一人静かに新聞を読む老人。
みんな、それぞれの朝を過ごしている。
腹が…減った。
でも、朝から重すぎるのはな。
そんな時、目に飛び込んできたのが『とろっとたまご丼』だ。

メニューを見ると、値段は…380円。
安い。この値段で食べられるなら、十分すぎる朝飯だ。
しかも、この『とろっとたまご丼』、なんと新メニューらしい。
新メニューか…新しいものには目がないんだよな。
ほどなくして番号が呼ばれ、丼を取りに行く。
見た瞬間、思った。
これ…一人暮らしの男子大学生が作ったメニューだろ。絶対。

焼いた溶き卵を白ごはんにのせてあるだけ。
シンプルすぎる。
まるで、冷蔵庫の中にあるものだけで適当に作った感が否めない。
なんなら俺も作ったことがある気がする。
これが、デジャブというやつか。

さっそく一口…
ん？ 思ったよりも、味が薄い。
というか、ほぼ素材の味しかしないんだが。
でも悪くはない。
いや、むしろこれはこれでアリかもしれない。
さらに食べ進めると、ふと口の中に違う食感が現れる。
…チーズだ。
ところどころに散りばめられたチーズが、卵と絡み合い、コクを加えてくれる。
これは…嬉しい誤算だ。

しかし、何かが足りない気がする。
悪くはない、悪くはないんだが…もう少し、こう、深みが欲しい。
そこで目に入ったのが、テーブルに置かれた『甘口ソース』。
試してみる価値はある。
ちょっとだけ丼の上にかけて、もう一口。
……おおっ！
甘口ソースのコクと甘さが、卵のまろやかさを引き立てて、いい感じにバランスが取れる。
これが、正解だったか。

380円でこの満足感。
見た目は完全に男子大学生が作ったメニューだが…悪くない。
むしろ、この見た目とシンプルな味付け、昔を思い出させてくれる。
この適当さが、妙に落ち着く。
結局、こういうのが、一番うまい時もあるんだよな。

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