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9/21 12:45 UP! うれない恋 YUYU(ユユ)(29)

YUYU(ユユ) うれない恋
「ねぇユユこの手もこの唇もこの笑顔も全部もものだよ。誰にもあげちゃダメだよ。全部、全部ももにだけちょうだい。」


美しい人はそう言った。僕の右手をその細い両手で持ち自分の唇へなぞらせながら。僕の指にあなたの色が付いて、指先が少し濡れた。


「ごめんねいつも困らせて、ユユの前だとわがままになっちゃう。なんか変なの、、、私が愛してるって言ったらユユは困っちゃう?」


「困らせてくれよ、、、あなたに振り回されたいんだよ。」


「バカ、幸せになれないぞ」



ももとの出会いは突然だった。昨日から今日そして明日へと僕のリズムで進む毎日にあなたが突然やってきて、知らないステップを踏み鳴らし自分勝手に踊った。僕の問いかけには答えずにただその魅力だけを伝えてた。


疲れていたんだ、疲れたかったんだと思う。恋人と別れ、それまで恋愛に向けていた情熱を持て余して目の前の仕事へひたすらに打ち込んでいた。考える事から逃げるように、寂しさや後悔を遠ざけるように何かに集中していた。

まだ喫茶店でタバコが吸えた時期だった。僕は阿佐ヶ谷のいつもの喫茶店でタバコをくわえながらノートにペンを走らせていると、男女の二人組が僕の隣の席に座った。隣の男が今までにどんなSEXをしてきたかを話してていた。僕は聞きたくも無い内容が頭の中に入ってきてイライラしながらその男をチラッと見た。男は、40代後半のスーツ姿でハゲた頭に手入れのされてない眉毛、ギョロギョロした目で笑顔が不快男だった。ギョロギョロオヤジの声を遮断したくて僕はイヤホンをつけた。イヤホンをして20分ぐらいたったとき僕の肩を誰かが2回叩いた。僕は驚いてたたかれた方を見ると、ギョロギョロオヤジのツレの女性が僕に顔を近づけて何かを言っていた。僕がイヤホンをとって


「なんですか?」


そういうと彼女は


「似顔絵描かせて」


そう一言だけ言って僕の目の前の席に座り、僕からボールペンとノートを取り上げてノートと僕の顔を交互の見て絵を描きだした。

彼女は20代後半ぐらいで暗いブラウンに染めた髪は絹のように細く光をいっぱいに吸って輝いていた。真っすぐに切りそろえられた前髪の下に半月状に見開いた瞳が朝露のようだた。その瞳は美しく、子猫みたいに感情が伺えず、自信なのか、憎しみなのか、諦めなのか、不思議な力が宿っていてその瞳に僕の姿を映されるのが怖かった。黒のニットに風で形を変えるふんわりとしたパンツ、シンプルな服装だったが、紐で締め付けたようなくびれと筋の通った顎が目立っち、喫茶店の皆が会話を止めて見とれていた。ノートにどんどんとデフォルメされた絵が出来ていく。黙って絵を描く彼女にまじまじと見つめられるたびに、恥ずかしさなのか呼吸が乱れる。今何が起こっているのか僕は理解ができなかった。僕の目の前に座る彼女にギョロギョロオヤジが何度か話しかけた、しかし彼女は返事もせずに絵を描いていた。しばらくするとギョロギョロオヤジが黙って席を立ち店を出て行った。ギョロギョロオヤジが店を出るのを見て彼女が大きく息を吸って吐き、表情が柔らかくなってい言った。


「やっと行ったよ、、、、ごめんね、意味わかんない女だと思っとでしょ?」


さっきまでとは別の表情に驚きながら僕は正直に言った。


「はい」


「だよね」


そう言って彼女が大きな口で笑った。彼女の笑顔の理由はわからないが、その笑顔は小さなお花のようで、触れたいが触れたら壊れてしまいそうで、心にペンキで描いたようにこびりついた。彼女が話を続ける。


「なんかさぁ、街を歩いてたらあのオヤジが話しかけてきて、飲みに行こうってひつこくて、何回断っても付いてくるからカフェに入ったらカフェにもついてきて、ホントにキモくてどうしようって思ったら君がいて、似顔絵かくって君を巻き込んじゃったんだよね、ごめんね!」


「そうだったんですね。怖かったですね、僕座ってただけなんで何もしてないですよ?」


「なんかね、君だったら助けてくれそうって思ったんだよね、なんかね、、、だって似顔絵描かせてって知らない男に言うの勇気が必要でしょ?怖いでしょ?でも君なら大丈夫って思ったんだ、、、」


「こいつは気が弱そうだからいったれって思われたの?」


「そーいう意味じゃないよ」


そう言って彼女が笑うから僕もつられて笑った。不思議だった、さっき会ったばっかりなのに自然に話して気が付いたら二人で笑ってた。彼女が


「はいプレゼント」


そう言って僕に絵を見せた。それは僕と彼女がほっぺたをくっ付けて笑っている絵だった。ボールペンで描かれたデフォルメされた二人。僕は独り言のように言葉を漏らした。


「かわいい」


「ありがと、君もかっこいいよ」


「絵がって意味ですよ?」


「なにそれぇぇ!?私も絵がって意味なんだけど!?、、、、ねぇ君名前は?」


「ユユって言います」


「じゃあハイ」


そういうと二人の絵の上に ユユとモモ そう書いて僕に渡した。ユユとモモなんだかいい響きだ、、、そう思った。モモが言う


「ぐりとぐらみたいだね」


「なずみ顔だからねお互い」


「バカ!!」


そこからモモとカフェで何時間も話した、モモの仕事の話しに好きなドラマの話し、そして僕の別れた恋人の話し。話してるの内容なんてどうでもよかった、ももが笑うのがうれしくて、、、、彼女と別れてからこんなに笑うのははじめてだった。時間を忘れて二人で話してた。モモのスマホが鳴って、モモが電話をするためにカフェを出た。20分ほどしてモモが席に帰ってくる。モモは泣いていた。下を向き、涙を見せないようにして、声を出さずに、ボロボロになって帰ってきた。モモが何で泣いているのかは分からない、誰とどんな電話をしたのかは分からない、僕はモモの事をなにも知らない。今の僕ができることはただ黙ってモモが泣き止むのを見守る事だけだった。
モモが僕の表情を調べるように見た、そして僕に涙でかすれた声で言った。

「なにも聞かないの?」

「今聞いたら辛いかなって、、、言いたくなったら教えて、いつでも聞くよ。」

「優しいんだね」

「モモもいろいろ背負ってるんだね、」

「モモって言った、、、、」

そう言うとモモは下を向いて小さく笑った。そしてモモが下を向いたまま続けた。

「ユユは元カノの事まだ愛してる?」

「なでしょうね、これが運命ならまた一緒になれるって思うんだよね、、、」

「いいなぁ、ユユの彼女になったら幸せだね、、、、」

モモが下を向いたまま独り言のようにつぶやいて少し間をおき、急いで僕の顔を見上げて高くなった声で言った。

「急に黙んないでよ、なんか言ってよ。」

「オススメのホテルとかある?」

「え?、、、、ないよ、、、、」

「じゃあ僕のオススメのホテルに行こうか?」

「いいよ、、、」

二人は黙って歩いてる。さっきまではあんなに会話が弾んでいたのに、今は二人ともぎこちなく歩いてホテルに向かってる。なんでホテルになんて誘ったんだろうか?モモの涙を見て、僕ならあなたを泣かせないよって言いたかった、、、でもその言葉が喉で詰まって気がついたらホテルに誘ってた。この人は僕とホテルに行くのは嫌じゃないのか?この人の前で服を脱ぐのか?想像ができなくて、無理に想像したら恥ずかしくて、モモの顔を見れない。なにを話せばいいのか分からなくて長く黙って、助けを求めるようにモモの方を見た。モモは僕の5歩も後ろで通り過ぎる商店街の店を眺めてた。僕はモモとこんなに距離がひらいていた事に驚き、歩みを止めてモモを待った。モモは僕の2歩後ろで立ち止まって言う。

「見ないで緊張する、、、、」

モモも一緒なんだ、、、、そう思ったらなんだか嬉しかった。まだ日暮れ前の商店街は人通りが多くて、みんな僕たちを追い越していく。立ち止まった僕がモモに右手を伸ばした、僕の伸ばした手を見てモモが困ったように固まって、僕の手と自分の手を交互に見て言った。

「汗かいてるから、、、」


僕が強引にモモの手を握た、モモの手は冷たく濡れていた。僕の手と一緒だった。モモの細い手は僕の手の中に収まって、困ったように脱力していた。なんだか元々一つの物のようにぴったりとくっついた二人の手が愛おしくて僕がそのつがいを見ていると、モモが小さく手を握り返して、声がこぼれるようにささやいた

「恥ずかしい、、、」

「緊張する?」

「緊張するよ」

「じゃあ緊張がとけるおまじないをしようか?」

「うん、、、」

ぼくがモモの手を引いて、片ひざをついて、モモの手のこうにキスをした。

「もっと緊張するよ、、、」


モモは知らない顔になってた。


僕はホテルでシャワーを浴びている、シャワーを出たらモモと同じベッドに入る。
ベッドに入ったらなにをするんだ?なにからはじめる?さっき溶けた緊張がまた大きくなって僕の思考をかき混ぜる。緊張をたちきるようにシャワー室を出てガウンを着る。シャンプーを落としていないことに気がついて、シャワー室に戻る、、、、なんだ、女性と同じベッドに入ることはこんなにも特別ね事なのか?なんだか自分が童貞に戻ったみたいだった。

「お待たせ」

何回もシャワー室で練習してからシャワー終えて部屋に戻った。部屋は真っ暗でモモが吸ってるタバコの先が光ってた。赤く鼻先から瞳だけが照らされてた。僕が近づくとモモがタバコを置き、真っ暗の部屋の中にモモが吐いた煙の匂いが広がる。そのタバコの火種の方に歩いて

「おいで」

僕がそう言うと、モモが僕の手を握った。強く握った。
僕は暗くてなにも見えない部屋でモモの腕をたどってモモの腰に手を回して抱き寄せた。その腰は細くて、回した腕が僕の腰に届いた。腰は細くて背中は骨ばってるのに、くっつけたお腹が柔らかくて、暖かたった。モモの温度が僕の中に入ってきて、ほっぺたとほっぺたがくっついて、
モモの息使いが僕と一緒になって、一つの体みたいに感じて、それなのにモモが少しでも動くと

「うぅぅ」

そんな声が自然と出た。その体をなぞった、細い腰、薄い肩、小さな手、薄い唇。全部が小さかった。その小さな体でどんなけ重い荷物を背負ってるの?僕が力をこめたらすぐに壊れてしまいそうなこの体。守りたいって思った、、、
あなたが少しだけ唇を前に進めるから、僕も同じ距離だけ前に進む。磁石のようにひかれあう唇が触れた。あなたが一生懸命に背伸びをしてくっつける唇。その全てが愛おしくてモモの顔を僕の胸の中にしまうように抱き締めた。モモが僕の首に両手を添えて僕の顔を引き寄せてキスをした。長いキスを。僕がガウン越しにモモの肌をなぞると、モモの体は固くなり小刻みに震えて、キスをしていた唇が離れて息を漏らして言った

「ユユ、、、」

二人は同じ家に帰るようにベッドの中に入って、ガウンを脱いだ。モモの豆腐のようなキレイな肌がわずかな光で光ってた。何かの答えを探すようにモモの全身にキスをした。
モモが僕の手を握って何度も握り直す、力を強めながら。思いやりを快感に変えて、互いの温度を交換して、触れる肌と肌が濡れて、快感が声に変わって口から漏れ出る。僕の腕の中でモモが必死に快感を受け取って、崩れた表情を僕の胸に押し当てて、

「ユユ、ユユ、」

そう叫んだ。

二人はベッドの上で水を飲んでいた、
脱力しきった体で、さっきまでの二人を想像したらおお互いに恥ずかしくて顔を見合わせて笑った。

モモが言う

「ユユとベッドに入ったらどんな女の子もエッチに変えられちゃうんだね」

「やめてよ」

やめて欲しかった、二人しかいない部屋で他人の話しなんて聞きたくなかった。

「私がなんで泣いてたか聞いてくれる?」

「聞くよ」

「私結婚してるんだ、」

「そうなんだ、」

「そうなんだか、、、」

「それで?」

「私癌なんだ、、、それなのに旦那は日曜日しか帰ってこなくて、、、」

「辛いなら話さなくいいよ」

「ねぇ、ユユ?、、、私をユユの彼女にして?」

「え?」


つづく


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