12/23 08:00 UP!
インド旅行記三の巻【Are you Ganja?】
見に来てくれてありがとうございます
ジローです!
怒涛の初日から夜の道を颯爽と走る車に揺られて次なる街アーグラーへ向かう車の中。
この先インド旅行はどんな道筋を辿るのか、ジローのインド旅行記はまだ始まったばかり…
薄暗い明け方、石畳みの道路に揺られて目が覚めると建物の間をぬって車が速度を落としていた。
途中で寝たせいか記憶が途切れていて目を覚ますと街にいたような不思議な感覚で寝ぼけながらボーッと街並みを見ている。
しばらくするとある建物の前で車が停まった。
運転手「ついたぞ、ここがこの街のお前たちの宿だ」的なことを英語で言っていたが波動レベルで読み取ることしかできないワイたいはオッケーオッケーと言い荷物を降ろす。
流石にツアーを組んだだけあって宿は予約されておりチェックインもスムーズだった。
ドラクエで出てきそうなthe鍵を受け取って部屋へ入る。
ベッドも油断出来ないので虫が居ないかチェックする。
部屋には簡易なシャワーとトイレだけ。
それでも寝る場所があるだけでこんなに安心するのかとしみじみと思いながらベッドに横たわる。
気づくともうひと眠りしていたようで目を覚ましたのは音楽だった。
巨大なスピーカーから流れているであろう爆音の音楽が近くで野外フェスでもしているのかと思わせるほどの音量で街中に響いてる。
日本にはない文化を肌身で感じながら幼馴染も起こし身支度だ。
キャリーバッグはベッドにチェーンで括り付けて防犯対策。
部屋を出て鍵をフロントに預けた時、スタッフから呼び止められた。
ガイドが来るからちょっと待っときな。
ん?ガイド?
ツアーガイドってこと?
そんな話をひとつも聞いていなかったがどうやらツアーで行く街々にそれぞれのガイドが待ってて街を案内してくれるようだった。
なるほど、一応ツアーとしてはちゃんとしているんだなと感心していると少し小太りの小柄なオヤジが来た。
名前はサントス。初見はやたらと友好的で物腰が低く打ち解けようとしていた。
サントスは日本語がわからない
ワイたちは英語がわからない
コミュニケーションとは言い難いようなやり取りでなんとか意思疎通をし、どうやらこの街にはタージマハルという巨大な墓があるからそこが見ものだと分かった。
ご丁寧にサントスは運転手付きの車まで用意してくれていたので早速タージマハルのふもとまで送ってもらった。
インドに来て初めての日中の景色だった。
排気ガスと車のクラクションと土煙と爆音の音楽、牛、屋台、人ごみ、リキシャー、目に映る景色が全てカオスな街並だった。
排ガス規制フル無視で馬力だけを追求したような荒々しいトラックの横を5人乗りの原チャリが抜かしていく。
目の前の景色全てがまさしくインドだった。
タージマハルのふもとにつくとホテルの住所を教えてもらった。
ここからは自由行動が良かったのと帰りは住所を伝えてホテルに帰れるようにするためだ。
サントスと別れて先にタージマハルに行こうとなった。
タージマハルは巨大な石の建造物でよく目にする写真ではが立派なアングルで撮ってはいるが実はその周囲は建物すらない見渡す限り平原でその一部にドンとそびえたっている。
ただそのサイズ感は規格外なほどデカかった。
入館チケットを買い、本物のマシンガンを肩にぶら下げた軍隊のセキュリティチェックを終え(その頃はテロリスト事件が多くセキュリティも厳重だったため)いざ敷地内に入ると門をくぐるのだが日本で見たこともないようなデカさの建造物だった。
巨大な城壁の中を左右対称に設計された庭を抜けた先にこれまた左右対称にお墓とされる大きな建物が3つ並ぶ。
建物に入るときは土足厳禁。
靴を脱ぎ中に入ると天井部分の大きさだけで奈良の大仏がすっぽり入るでとか田舎もん丸出しなこと考えつつ一通り見終わったらいざ街へ出る。
何かインドらしいことしようと友達と意気投合し、サイクルリキシャーに乗ろうとなった。
要は人力車の自転車バージョン。
普通のリキシャーは3輪の車だ。
サイクルリキシャーにとって街の中心部に向かってと伝えたあとワイらはある一つのミッションを遂行しようとしていた。
それはGanjaだ。
ガンジャ、いわゆる大麻を探すということ。
今となっては時効だから言えるけど当時は少しばかりそういったイリーガルなこともしていたからインドに来た目的の1つにもガンジャを手に入れると言うのは必然だった。
とはいえどうしたものか。
言葉も分からず入手先も見当もつかないので迷った挙句なんとサイクルリキシャーの運転手に聞いてみようとなったのである。
どんだけ身近なものやねんとつっこみを入れたくなるがそんなことお構いなしに運転手の方を叩く。
トントン
「Are you Ganja?」
…一瞬運転手が理解しきれずにいた。
もう一度言う。
「Are you Ganja?」
今思えば意味不明である。
「あなたは大麻?」
相当失礼なことを言っているのだがここは海外である。
ましてやインドである。
言いたい放題、関係ない精神丸出しで質問した。
そして、それが伝わった。
「Ohh Ganja!Ganja!」
と俺も人生で初めて海外の奴とコミュニケーション取れたぜと意気揚々と返事をする運転手が手で少し待ってろと合図をしてリキシャーを路肩に停める。
走って道路を渡り知り合いらしき人のところへ行ったようでしばらくすると戻ってきた。
手でとりあえずリキシャーに乗れ!物はその後だ的なことを言っていたのでリキシャーに乗って再び走り出す。
途中リキシャーの上でお金を渡そうとするとちょっと待て!まだだと手で制する。
しばらくしてリキシャーを降りてお金と交換してあっさりとガンジャは手に入った。
さて、観光もしたし物も手に入ったし飯でも食って帰るかという流れになり、サクッと食事を済ませて宿に戻った。
部屋に着くなり仕入れたガンジャをふかしながら汗ばんだ体のままだと気持ち悪いのでシャワーを浴びる。
一つしかないシャワーを順番に使いながらボーッとしていく意識の中で携帯の音楽を流して少し休息した。
少しずつインドに来たという実感が身に染みて来た頃だった。
翌朝部屋を出て下に降りるとフロントにサントスが来ていた。
サントスは何やらチケットを持って来たらしくそれは次の街へ行くための列車の乗車券だった。
チケットを受け取ったあと何やら英語で伝えようとしているが中々理解出来なかった。
しばらく聞いていてようやく分かったのが次の街にもガイドがいる。
そいつはお前たちの名前の書いたプラカードを掲げているからそいつのところへ行くんだということのようだ。
なんだサントスいい奴じゃん。
そう思えるくらい丁寧に説明してくれていた。
ブラっと観光を済ませ、荷物をまとめて次の街へ向かう列車に乗るためサントスが駅まで送ってくれることになった。
途中お土産でも見ていくか?と言って仏像やらガネーシャの置物やらがズラリと並ぶお店に立ち寄った。
旅はまだ始まったばかりで余計なお金も使えないワイたちはひと通り見た後出ようと行った。
駅に着いてトランクから荷物を取ってくれとサントスに伝えるとからの口から耳を疑うような事が出た。
「荷物を取り出したかったら500ルピーずつ渡しな」
四六時中物腰低く振る舞って居たいい奴のはずのサントスもやはりインド人だった。
(善良なインド人の方すみません。)
マジかよなどとゴネても一向に態度を変えないので渋々お金を渡し荷物を取る。
やっぱクソだなとぼやきながら駅に向かう。
列車の時刻表を記す電光掲示板はこれでもかというほど見にくく乱雑で何より表記が多い。
何本路線あるねんってくらい多い。
その中からチケットに書いてある列車の出発時間を照らし合わせてなんとか目ぼしい列車を見つける。
少し前500ルピー事件の前にサントスからこのような事を聞かされていた。
列車の乗り口横に紙が張り出してある。
その紙に座席順に乗車員の名前が書き出されていてそこがお前たちの席だ!オッケー?
とのことだった。
なるほど、列車の乗り口に確かに紙は貼ってある。
各車両ごとにご丁寧に紙が貼っていて名前も書いている。
ワイたちが乗る車両もこれであってる。
しかしおかしいな、ワイたちのチケットに表記されてるシートにワイたちの名前じゃない人の名前が書いてある。
列車はあってる。
車両もあってる。
ただシートの名前だけ違う。
えっ、どゆこと?
これそもそもこの列車で大丈夫なの?
そうこうしてるうちになんと列車が動き出した。
当時ワイらが乗った列車は乗り口が手動の扉でなんともチンケな作りだった。
列車は段々とスピードを上げていく。
乗っていいものかも分からずにとりあえずこれに乗らなきゃ次の街へはいけないことから列車に並走しながらまずワイが飛び乗った。
その後ますますスピードを上げていく列車に必死に走る幼馴染の荷物と手を取り列車に引き上げる。
周りには何事かと見物人が物珍しそうに集まっていた。
こんな映画みたいなこと誰も想像してなかったでと先ゆく不安がインド旅行を加速させていく。
続く
ジローです!
怒涛の初日から夜の道を颯爽と走る車に揺られて次なる街アーグラーへ向かう車の中。
この先インド旅行はどんな道筋を辿るのか、ジローのインド旅行記はまだ始まったばかり…
薄暗い明け方、石畳みの道路に揺られて目が覚めると建物の間をぬって車が速度を落としていた。
途中で寝たせいか記憶が途切れていて目を覚ますと街にいたような不思議な感覚で寝ぼけながらボーッと街並みを見ている。
しばらくするとある建物の前で車が停まった。
運転手「ついたぞ、ここがこの街のお前たちの宿だ」的なことを英語で言っていたが波動レベルで読み取ることしかできないワイたいはオッケーオッケーと言い荷物を降ろす。
流石にツアーを組んだだけあって宿は予約されておりチェックインもスムーズだった。
ドラクエで出てきそうなthe鍵を受け取って部屋へ入る。
ベッドも油断出来ないので虫が居ないかチェックする。
部屋には簡易なシャワーとトイレだけ。
それでも寝る場所があるだけでこんなに安心するのかとしみじみと思いながらベッドに横たわる。
気づくともうひと眠りしていたようで目を覚ましたのは音楽だった。
巨大なスピーカーから流れているであろう爆音の音楽が近くで野外フェスでもしているのかと思わせるほどの音量で街中に響いてる。
日本にはない文化を肌身で感じながら幼馴染も起こし身支度だ。
キャリーバッグはベッドにチェーンで括り付けて防犯対策。
部屋を出て鍵をフロントに預けた時、スタッフから呼び止められた。
ガイドが来るからちょっと待っときな。
ん?ガイド?
ツアーガイドってこと?
そんな話をひとつも聞いていなかったがどうやらツアーで行く街々にそれぞれのガイドが待ってて街を案内してくれるようだった。
なるほど、一応ツアーとしてはちゃんとしているんだなと感心していると少し小太りの小柄なオヤジが来た。
名前はサントス。初見はやたらと友好的で物腰が低く打ち解けようとしていた。
サントスは日本語がわからない
ワイたちは英語がわからない
コミュニケーションとは言い難いようなやり取りでなんとか意思疎通をし、どうやらこの街にはタージマハルという巨大な墓があるからそこが見ものだと分かった。
ご丁寧にサントスは運転手付きの車まで用意してくれていたので早速タージマハルのふもとまで送ってもらった。
インドに来て初めての日中の景色だった。
排気ガスと車のクラクションと土煙と爆音の音楽、牛、屋台、人ごみ、リキシャー、目に映る景色が全てカオスな街並だった。
排ガス規制フル無視で馬力だけを追求したような荒々しいトラックの横を5人乗りの原チャリが抜かしていく。
目の前の景色全てがまさしくインドだった。
タージマハルのふもとにつくとホテルの住所を教えてもらった。
ここからは自由行動が良かったのと帰りは住所を伝えてホテルに帰れるようにするためだ。
サントスと別れて先にタージマハルに行こうとなった。
タージマハルは巨大な石の建造物でよく目にする写真ではが立派なアングルで撮ってはいるが実はその周囲は建物すらない見渡す限り平原でその一部にドンとそびえたっている。
ただそのサイズ感は規格外なほどデカかった。
入館チケットを買い、本物のマシンガンを肩にぶら下げた軍隊のセキュリティチェックを終え(その頃はテロリスト事件が多くセキュリティも厳重だったため)いざ敷地内に入ると門をくぐるのだが日本で見たこともないようなデカさの建造物だった。
巨大な城壁の中を左右対称に設計された庭を抜けた先にこれまた左右対称にお墓とされる大きな建物が3つ並ぶ。
建物に入るときは土足厳禁。
靴を脱ぎ中に入ると天井部分の大きさだけで奈良の大仏がすっぽり入るでとか田舎もん丸出しなこと考えつつ一通り見終わったらいざ街へ出る。
何かインドらしいことしようと友達と意気投合し、サイクルリキシャーに乗ろうとなった。
要は人力車の自転車バージョン。
普通のリキシャーは3輪の車だ。
サイクルリキシャーにとって街の中心部に向かってと伝えたあとワイらはある一つのミッションを遂行しようとしていた。
それはGanjaだ。
ガンジャ、いわゆる大麻を探すということ。
今となっては時効だから言えるけど当時は少しばかりそういったイリーガルなこともしていたからインドに来た目的の1つにもガンジャを手に入れると言うのは必然だった。
とはいえどうしたものか。
言葉も分からず入手先も見当もつかないので迷った挙句なんとサイクルリキシャーの運転手に聞いてみようとなったのである。
どんだけ身近なものやねんとつっこみを入れたくなるがそんなことお構いなしに運転手の方を叩く。
トントン
「Are you Ganja?」
…一瞬運転手が理解しきれずにいた。
もう一度言う。
「Are you Ganja?」
今思えば意味不明である。
「あなたは大麻?」
相当失礼なことを言っているのだがここは海外である。
ましてやインドである。
言いたい放題、関係ない精神丸出しで質問した。
そして、それが伝わった。
「Ohh Ganja!Ganja!」
と俺も人生で初めて海外の奴とコミュニケーション取れたぜと意気揚々と返事をする運転手が手で少し待ってろと合図をしてリキシャーを路肩に停める。
走って道路を渡り知り合いらしき人のところへ行ったようでしばらくすると戻ってきた。
手でとりあえずリキシャーに乗れ!物はその後だ的なことを言っていたのでリキシャーに乗って再び走り出す。
途中リキシャーの上でお金を渡そうとするとちょっと待て!まだだと手で制する。
しばらくしてリキシャーを降りてお金と交換してあっさりとガンジャは手に入った。
さて、観光もしたし物も手に入ったし飯でも食って帰るかという流れになり、サクッと食事を済ませて宿に戻った。
部屋に着くなり仕入れたガンジャをふかしながら汗ばんだ体のままだと気持ち悪いのでシャワーを浴びる。
一つしかないシャワーを順番に使いながらボーッとしていく意識の中で携帯の音楽を流して少し休息した。
少しずつインドに来たという実感が身に染みて来た頃だった。
翌朝部屋を出て下に降りるとフロントにサントスが来ていた。
サントスは何やらチケットを持って来たらしくそれは次の街へ行くための列車の乗車券だった。
チケットを受け取ったあと何やら英語で伝えようとしているが中々理解出来なかった。
しばらく聞いていてようやく分かったのが次の街にもガイドがいる。
そいつはお前たちの名前の書いたプラカードを掲げているからそいつのところへ行くんだということのようだ。
なんだサントスいい奴じゃん。
そう思えるくらい丁寧に説明してくれていた。
ブラっと観光を済ませ、荷物をまとめて次の街へ向かう列車に乗るためサントスが駅まで送ってくれることになった。
途中お土産でも見ていくか?と言って仏像やらガネーシャの置物やらがズラリと並ぶお店に立ち寄った。
旅はまだ始まったばかりで余計なお金も使えないワイたちはひと通り見た後出ようと行った。
駅に着いてトランクから荷物を取ってくれとサントスに伝えるとからの口から耳を疑うような事が出た。
「荷物を取り出したかったら500ルピーずつ渡しな」
四六時中物腰低く振る舞って居たいい奴のはずのサントスもやはりインド人だった。
(善良なインド人の方すみません。)
マジかよなどとゴネても一向に態度を変えないので渋々お金を渡し荷物を取る。
やっぱクソだなとぼやきながら駅に向かう。
列車の時刻表を記す電光掲示板はこれでもかというほど見にくく乱雑で何より表記が多い。
何本路線あるねんってくらい多い。
その中からチケットに書いてある列車の出発時間を照らし合わせてなんとか目ぼしい列車を見つける。
少し前500ルピー事件の前にサントスからこのような事を聞かされていた。
列車の乗り口横に紙が張り出してある。
その紙に座席順に乗車員の名前が書き出されていてそこがお前たちの席だ!オッケー?
とのことだった。
なるほど、列車の乗り口に確かに紙は貼ってある。
各車両ごとにご丁寧に紙が貼っていて名前も書いている。
ワイたちが乗る車両もこれであってる。
しかしおかしいな、ワイたちのチケットに表記されてるシートにワイたちの名前じゃない人の名前が書いてある。
列車はあってる。
車両もあってる。
ただシートの名前だけ違う。
えっ、どゆこと?
これそもそもこの列車で大丈夫なの?
そうこうしてるうちになんと列車が動き出した。
当時ワイらが乗った列車は乗り口が手動の扉でなんともチンケな作りだった。
列車は段々とスピードを上げていく。
乗っていいものかも分からずにとりあえずこれに乗らなきゃ次の街へはいけないことから列車に並走しながらまずワイが飛び乗った。
その後ますますスピードを上げていく列車に必死に走る幼馴染の荷物と手を取り列車に引き上げる。
周りには何事かと見物人が物珍しそうに集まっていた。
こんな映画みたいなこと誰も想像してなかったでと先ゆく不安がインド旅行を加速させていく。
続く