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性という枷。

村田沙耶香さんのデビュー作「授乳」を読み終えた。この本は3つの短編集からなる作品で、独自の世界をもっている主人公が描かれている。紡ぎ出される文章からは女性性への拒絶や、本来なら外には出ていかないようなドロドロした感情が丁寧に言語化されていて、その描写力に驚かされる。
ただ、その切り取り方が異質で誰かの景色を見ているような感じだった。個人的に印象的だった表現をいくつか紹介したいと思う。ひとつ目は「見え見えの意図にどうしてすんなり引っ掛かるんだろうと小馬鹿にしつつも、冷静な自分と要ニは何か肝心な勝負でこの人に負けているのだという気がした」
二つ目は「母が同い年のクラスメイトだったらきっといじめてるなと思った」。三つ目は「自分の顔の中の目玉は、薄く透けてしまっていて頼りない。本当にこの世のものがちゃんと見えているのか自分で不安になる」というもの。
どれも考えさせられる文章でさらっと流すには勿体無い感覚。
ただ、その切り取り方が異質で誰かの景色を見ているような感じだった。個人的に印象的だった表現をいくつか紹介したいと思う。ひとつ目は「見え見えの意図にどうしてすんなり引っ掛かるんだろうと小馬鹿にしつつも、冷静な自分と要ニは何か肝心な勝負でこの人に負けているのだという気がした」
二つ目は「母が同い年のクラスメイトだったらきっといじめてるなと思った」。三つ目は「自分の顔の中の目玉は、薄く透けてしまっていて頼りない。本当にこの世のものがちゃんと見えているのか自分で不安になる」というもの。
どれも考えさせられる文章でさらっと流すには勿体無い感覚。