12/25 08:00 UP! インド旅行記五の巻【世界は狭い】 JIRO(ジロウ)(35)
見に来てくれてありがとうございます
ジローです!
列車の中なのに野宿のような時間を過ごし、
生死が隣り合わせに行き交い、
子供たちから洗礼を受け、
日本の人に安堵し、
腹を下す。
素晴らしきインドの聖地バナーラシを後にしたジローたちが向かうは世界遺産のある街
「ブッダガヤ」
順風満帆なんて一度もないサバイバルな
旅の最中、ジローたちは無事に旅を終えることが出来るのだろうか…
バナーラシから列車に揺られ4時間とちょっと。
前回の10時間列車の移動とは打って変わってこれでもかというほど快適な列車の移動だった。
車窓から見た途中の景色はインドの田舎の風景だろうなと見てとれた。
ポツポツと目にする家が全て土を固めただけのような家で外で作業する人たちはみんな裸足だ。
それも周りは全て草原のような場所で自然のままに暮らしているであろう人たちに思えた。
ブッダガヤに着いたのは夕方頃だったと思う。
もちろんガイドなんて待ってやいないしその後も来ることはなかった。
こういうイレギュラーにももう慣れたもので「あっ、そう。」くらいにしか思わなかった。というよりも期待しなくなったの方が近いのかもしれない。
思い返してみると初日から始まり今の今まで気を抜いた瞬間が思いつかない。
意識して気を張っている訳ではなくて、無意識にでも常に気を張っているような状態で、いつ何が起こるか分からないと本能的に分かっているのだ。
だから睡眠環境が悪かろうがお腹を下してご飯を食べて無かろうが目だけはギラついていたなと今になって思う。
話を戻そう。
タクシーを拾って中心街へ向かう。
中心街と言ってもこの街自体が地方みたいなもので街というより村の方が近いくらいの集落だ。
バラーナシのガイドは次の街のガイドが宿へへ案内してくれるから次はその宿に泊まるといいと言っていた。
ガイドは居ないのでまず宿泊先を探すところからだ。
今は夕方でもうすぐ夜になる。
こんな土地で夜に野宿なんてしようものならそれこそ命の危険もあるくらいだから最優先で宿を探した。
ふと立ち入った宿で受付の人と話をしていると1人のバックパッカーらしき男性が入ってきた。
アジア人、日本か中国か韓国かどこの国の人か分からず咄嗟に日本語が出来るか聞くと関西弁で俺日本人やでって返事が来てビックリした。
くみこさんは日本人だが在住している方で旅をしている日本人に会うのは初めてだった。
名前はKちゃん、年齢は同い年で出身は奈良県だった。
初めての日本人に会ってテンションが上がり会話が弾んで話を進めて行くと驚くべきことが分かった。
それは奈良県出身の年下の知り合いがKちゃんの地元の後輩でたまに飲みに行くくらいの仲だというのだ。
偶然にしても流石に近すぎて、それがインドの、しかも片田舎のこのタイミングで出会うかね?と驚きを隠せなかったと同時に
「世界って狭いなぁと心の底から思った。」
そしてもう1人、その宿に宿泊していた日本人のTとも出会いワイたちとKちゃん、Tと日本人4人が顔を合わせた。
そこから話は早かった。
ラッキーなことに、たまたま入ったその宿のオーナーさんは以前は何年も神戸でインド料理屋さんを営んでおり、スタッフ含め日本語が堪能でその宿も日本人に優しくウェルカムな宿だったのだ。
2人部屋で取っていた部屋を大部屋に変えてもらい、その日は皆んなで寝泊まりする事になった。
それぞれが別の用事があったため合流は夜、部屋でと言ってワイたちは世界遺産のお寺へ向かった。
街に出るとその日は村のお祭り真っ只中で至る所でバンッ、バンッ、時にはバァーンとやたらと大きな爆発音が至る所で鳴っている。
お祭りと言ってもただ爆竹を好き放題鳴らす。
しかもそれを村単位で子供を中心に老若男女みんながそこらじゅうでバンバン鳴らす。
日本の爆竹のような上品なものではなく、それこそ爆弾かと思うくらいどデカい音が鳴る時もあるくらい火薬の量がおかしい。
その破裂音を潜り抜け目的地に辿り着いた。
世界遺産マハーボーディ寺院である。
このブッダガヤという村はブッダが悟りを開いた菩提樹が近隣にあり、仏教徒の中ではとても神聖な場所で世界遺産のお寺にもオレンジの布を纏った多くの修行僧がお祈りに来ていた。
寺院の敷地に入り海が泳ぐ池を越えると正面には神々とそびえ立つ建物があり、そこに祀られている仏像を拝むため多くの仏教徒が列を成していた。
お経が大きな音で鳴り響くのだがそれは録音式のカセットデッキから流されていて神聖なんだか人間臭いのか分からなかった。
ワイたいも並んでいたので順番が来ると建物の中にある光照らされた仏像を仰ぎ見た。
ぶっちゃけ仏像を見て特別な感情を抱くことは無かったが代わりにそれを信仰する仏教徒の熱心さというか本気度が印象的だった。
仏像に手を合わせ挨拶をするやいなや地面にデコを擦り付けてありがたがって祈っているのだ。
ブッダとは彼らにとってはそれほど偉大な存在でこの場所はその中心地ど真ん中に位置するくらいの神聖な場所なんだと見ていて思った。
建物を出て周囲を散策していると、ちょうど仏像がある建造物の裏側にフェンスで囲われた一角があってwarningと張り紙がいくつも貼られていた。
後々宿に戻った際受付の人に聞いた話がこれまたビックリ。
かつてそこはかのオ○ム心理教の教祖、
麻原彰晃が瞑想ていた場所だという。
麻原彰晃は仏教界ではかなりのポジションでいたらしくそんな神聖な場所で修行していた人物があんな事件を起こしたことであの場所は汚れてしまったという理由から立ち入り禁止になっているのだ。
日本だけには留まらずこんな地にまで影響が出ていたなんてインドに行かなければまず知ることは無かったと思う。
そんなこんなでお寺を後にしたワイたちは宿に戻ることにした。
外はもうすっかり夜になり、それでも爆竹の音は続いていた。
宿に着くと外の渡り廊下を進んで部屋に入るのだがここでインドの恐ろしさをまた一つ知る事になる。
渡り廊下は天井まである吹き抜けで外と繋がっており雨風は凌げるが外との区切りはない。
そして廊下を照らす蛍光灯が天井にあるおかげで床、両壁、天井に見たこともないくらい大量の虫がこびりついていた。
どのくらいの量かというと避けて歩くにも足を置くスペースがギリギリあるくらいの密集度でそれこそうじゃうじゃいるのである。
これはヤバいと思いすぐにバスタオルを借りて虫をはらいながら部屋に入る。
ドアの隙間からも中の灯りに反応して入ってくるもんだから隙間をバスタオルで塞がないと寝るに寝れないような環境だった。
すぐにベッドの布団下もチェックしてそこは無事だったようで難を凌いだ。
KちゃんもTも慣れているのかさほど驚く様子もなく部屋に入ってきた。
なぜかスタッフのインド人も無理やりKちゃんに連れて来られ5人で話したり笑ったりで大いに盛り上がった。
翌日、皆んなでご飯を食べに行こうと
Fujiyamaと書かれた日本料理?屋さんに入った。
ローマ字で親子丼やらオムライスやらカツ丼やらあるがどれも全く違う味と見た目の料理が来ることは経験から知っていたので期待はしていなかったがそれ見たことが大量のタイ米にケチャップではない何か赤く色づけしたものを絡ませたインド式オムライスが出てきた。
インドの料理は量が多いので食べきれない上に味が合わず食べ物に関しては本当に苦労した。
Kちゃんはその日また別の街へ行く予定だったので連絡先を交換して見送った。
颯爽と歩いて何にも怯えていない後ろ姿に旅慣れしたバックパッカーを見た。
ワイたちはブッダガヤの村を散策しようと歩いていると幼児を背負った少女の2人組が裸足で近づいてきた。
近くに来るなり手を差し出してきて
「お金を頂戴」と言う。
自分の足で歩けないくらいの赤ちゃんを小学生くらいの女の子がおんぶしているのだ。
ただそこでお金をあげるとキリがないと思ったのでカバンに入れてあったお菓子をあげると不思議そうに見ていたがまぁ、これで許してやるかといった顔で歩いていった。
いくら神聖な村とはいえ田舎も田舎、住人たちは靴を履いておらず家は土を固めて作った建物がほとんどでそんな集落にどデカいお寺がドンと建っているような村なのだ。
その日の晩はワイたちも出発の日だった。
ブッダガヤからニューデリーに行く列車のチケットをどのようにして入手したのか今では思い出せないが駅までは宿のスタッフが車を出してくれた。
夜道に歩いてなんて危険だし心配でたまらない。
俺が送っていってやるよと親切心丸出しのスタッフはちゃんといい奴だった。
戻りの列車は寝台2段構えのキレイな列車だった。列車に乗り込み寝台に寝転びこんなに快適な列車もあったんだと今更ながら感心した。
ニューデリーまではまだまだ遠い。
また10時間ほどの列車移動で寝転びながら今までの経験を振り返っていた。
最後に近づくにつれて段々快適で過ごしやすくなるのは何なのか。
今までのギャップのせいかそこまでキレイでもない寝台すらとても素敵な場所のように
感じながらこの旅最後の始まりの街ニューデリーに向けて列車は走り出した。
続く
ジローです!
列車の中なのに野宿のような時間を過ごし、
生死が隣り合わせに行き交い、
子供たちから洗礼を受け、
日本の人に安堵し、
腹を下す。
素晴らしきインドの聖地バナーラシを後にしたジローたちが向かうは世界遺産のある街
「ブッダガヤ」
順風満帆なんて一度もないサバイバルな
旅の最中、ジローたちは無事に旅を終えることが出来るのだろうか…
バナーラシから列車に揺られ4時間とちょっと。
前回の10時間列車の移動とは打って変わってこれでもかというほど快適な列車の移動だった。
車窓から見た途中の景色はインドの田舎の風景だろうなと見てとれた。
ポツポツと目にする家が全て土を固めただけのような家で外で作業する人たちはみんな裸足だ。
それも周りは全て草原のような場所で自然のままに暮らしているであろう人たちに思えた。
ブッダガヤに着いたのは夕方頃だったと思う。
もちろんガイドなんて待ってやいないしその後も来ることはなかった。
こういうイレギュラーにももう慣れたもので「あっ、そう。」くらいにしか思わなかった。というよりも期待しなくなったの方が近いのかもしれない。
思い返してみると初日から始まり今の今まで気を抜いた瞬間が思いつかない。
意識して気を張っている訳ではなくて、無意識にでも常に気を張っているような状態で、いつ何が起こるか分からないと本能的に分かっているのだ。
だから睡眠環境が悪かろうがお腹を下してご飯を食べて無かろうが目だけはギラついていたなと今になって思う。
話を戻そう。
タクシーを拾って中心街へ向かう。
中心街と言ってもこの街自体が地方みたいなもので街というより村の方が近いくらいの集落だ。
バラーナシのガイドは次の街のガイドが宿へへ案内してくれるから次はその宿に泊まるといいと言っていた。
ガイドは居ないのでまず宿泊先を探すところからだ。
今は夕方でもうすぐ夜になる。
こんな土地で夜に野宿なんてしようものならそれこそ命の危険もあるくらいだから最優先で宿を探した。
ふと立ち入った宿で受付の人と話をしていると1人のバックパッカーらしき男性が入ってきた。
アジア人、日本か中国か韓国かどこの国の人か分からず咄嗟に日本語が出来るか聞くと関西弁で俺日本人やでって返事が来てビックリした。
くみこさんは日本人だが在住している方で旅をしている日本人に会うのは初めてだった。
名前はKちゃん、年齢は同い年で出身は奈良県だった。
初めての日本人に会ってテンションが上がり会話が弾んで話を進めて行くと驚くべきことが分かった。
それは奈良県出身の年下の知り合いがKちゃんの地元の後輩でたまに飲みに行くくらいの仲だというのだ。
偶然にしても流石に近すぎて、それがインドの、しかも片田舎のこのタイミングで出会うかね?と驚きを隠せなかったと同時に
「世界って狭いなぁと心の底から思った。」
そしてもう1人、その宿に宿泊していた日本人のTとも出会いワイたちとKちゃん、Tと日本人4人が顔を合わせた。
そこから話は早かった。
ラッキーなことに、たまたま入ったその宿のオーナーさんは以前は何年も神戸でインド料理屋さんを営んでおり、スタッフ含め日本語が堪能でその宿も日本人に優しくウェルカムな宿だったのだ。
2人部屋で取っていた部屋を大部屋に変えてもらい、その日は皆んなで寝泊まりする事になった。
それぞれが別の用事があったため合流は夜、部屋でと言ってワイたちは世界遺産のお寺へ向かった。
街に出るとその日は村のお祭り真っ只中で至る所でバンッ、バンッ、時にはバァーンとやたらと大きな爆発音が至る所で鳴っている。
お祭りと言ってもただ爆竹を好き放題鳴らす。
しかもそれを村単位で子供を中心に老若男女みんながそこらじゅうでバンバン鳴らす。
日本の爆竹のような上品なものではなく、それこそ爆弾かと思うくらいどデカい音が鳴る時もあるくらい火薬の量がおかしい。
その破裂音を潜り抜け目的地に辿り着いた。
世界遺産マハーボーディ寺院である。
このブッダガヤという村はブッダが悟りを開いた菩提樹が近隣にあり、仏教徒の中ではとても神聖な場所で世界遺産のお寺にもオレンジの布を纏った多くの修行僧がお祈りに来ていた。
寺院の敷地に入り海が泳ぐ池を越えると正面には神々とそびえ立つ建物があり、そこに祀られている仏像を拝むため多くの仏教徒が列を成していた。
お経が大きな音で鳴り響くのだがそれは録音式のカセットデッキから流されていて神聖なんだか人間臭いのか分からなかった。
ワイたいも並んでいたので順番が来ると建物の中にある光照らされた仏像を仰ぎ見た。
ぶっちゃけ仏像を見て特別な感情を抱くことは無かったが代わりにそれを信仰する仏教徒の熱心さというか本気度が印象的だった。
仏像に手を合わせ挨拶をするやいなや地面にデコを擦り付けてありがたがって祈っているのだ。
ブッダとは彼らにとってはそれほど偉大な存在でこの場所はその中心地ど真ん中に位置するくらいの神聖な場所なんだと見ていて思った。
建物を出て周囲を散策していると、ちょうど仏像がある建造物の裏側にフェンスで囲われた一角があってwarningと張り紙がいくつも貼られていた。
後々宿に戻った際受付の人に聞いた話がこれまたビックリ。
かつてそこはかのオ○ム心理教の教祖、
麻原彰晃が瞑想ていた場所だという。
麻原彰晃は仏教界ではかなりのポジションでいたらしくそんな神聖な場所で修行していた人物があんな事件を起こしたことであの場所は汚れてしまったという理由から立ち入り禁止になっているのだ。
日本だけには留まらずこんな地にまで影響が出ていたなんてインドに行かなければまず知ることは無かったと思う。
そんなこんなでお寺を後にしたワイたちは宿に戻ることにした。
外はもうすっかり夜になり、それでも爆竹の音は続いていた。
宿に着くと外の渡り廊下を進んで部屋に入るのだがここでインドの恐ろしさをまた一つ知る事になる。
渡り廊下は天井まである吹き抜けで外と繋がっており雨風は凌げるが外との区切りはない。
そして廊下を照らす蛍光灯が天井にあるおかげで床、両壁、天井に見たこともないくらい大量の虫がこびりついていた。
どのくらいの量かというと避けて歩くにも足を置くスペースがギリギリあるくらいの密集度でそれこそうじゃうじゃいるのである。
これはヤバいと思いすぐにバスタオルを借りて虫をはらいながら部屋に入る。
ドアの隙間からも中の灯りに反応して入ってくるもんだから隙間をバスタオルで塞がないと寝るに寝れないような環境だった。
すぐにベッドの布団下もチェックしてそこは無事だったようで難を凌いだ。
KちゃんもTも慣れているのかさほど驚く様子もなく部屋に入ってきた。
なぜかスタッフのインド人も無理やりKちゃんに連れて来られ5人で話したり笑ったりで大いに盛り上がった。
翌日、皆んなでご飯を食べに行こうと
Fujiyamaと書かれた日本料理?屋さんに入った。
ローマ字で親子丼やらオムライスやらカツ丼やらあるがどれも全く違う味と見た目の料理が来ることは経験から知っていたので期待はしていなかったがそれ見たことが大量のタイ米にケチャップではない何か赤く色づけしたものを絡ませたインド式オムライスが出てきた。
インドの料理は量が多いので食べきれない上に味が合わず食べ物に関しては本当に苦労した。
Kちゃんはその日また別の街へ行く予定だったので連絡先を交換して見送った。
颯爽と歩いて何にも怯えていない後ろ姿に旅慣れしたバックパッカーを見た。
ワイたちはブッダガヤの村を散策しようと歩いていると幼児を背負った少女の2人組が裸足で近づいてきた。
近くに来るなり手を差し出してきて
「お金を頂戴」と言う。
自分の足で歩けないくらいの赤ちゃんを小学生くらいの女の子がおんぶしているのだ。
ただそこでお金をあげるとキリがないと思ったのでカバンに入れてあったお菓子をあげると不思議そうに見ていたがまぁ、これで許してやるかといった顔で歩いていった。
いくら神聖な村とはいえ田舎も田舎、住人たちは靴を履いておらず家は土を固めて作った建物がほとんどでそんな集落にどデカいお寺がドンと建っているような村なのだ。
その日の晩はワイたちも出発の日だった。
ブッダガヤからニューデリーに行く列車のチケットをどのようにして入手したのか今では思い出せないが駅までは宿のスタッフが車を出してくれた。
夜道に歩いてなんて危険だし心配でたまらない。
俺が送っていってやるよと親切心丸出しのスタッフはちゃんといい奴だった。
戻りの列車は寝台2段構えのキレイな列車だった。列車に乗り込み寝台に寝転びこんなに快適な列車もあったんだと今更ながら感心した。
ニューデリーまではまだまだ遠い。
また10時間ほどの列車移動で寝転びながら今までの経験を振り返っていた。
最後に近づくにつれて段々快適で過ごしやすくなるのは何なのか。
今までのギャップのせいかそこまでキレイでもない寝台すらとても素敵な場所のように
感じながらこの旅最後の始まりの街ニューデリーに向けて列車は走り出した。
続く
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