女性専用風俗 甲府秘密基地 (出張専門) | むかしむかしむかしむかし

3/18 08:00 UP! むかしむかしむかしむかし YUYU(ユユ)(29)

YUYU(ユユ) むかしむかしむかしむかし
音の無いこの部屋で、僕の腕枕で横になるジャスミンは声を出さずに泣いていた。僕の白いジャージの左袖は、ジャスミンの色とりどりの口紅で汚れていた。ジャスミンは、僕のセーターを着て、自分で涙を拭いながら言う

「私なんで泣いているのかわからない。ごめんなさい。何も考えないで。」

 ジャスミンが鼻を啜る音が、音の無い部屋に広がる。ジャスミンは僕の手を見つめていた。丸くて大きな瞳で。そのキレイな唇を噛みながら。血が出るほどに。

 昨朝
 僕の部屋でジャスミンが楽しそうにお化粧をしていた。

「トントントーントントントーン」

 知らないリズムを口に出しながら。嬉しそうに鏡を見てマスカラをつけるジャスミンの姿が可愛らしくて、僕は写真を撮った。それに気づいたジャスミンが言う。笑いながら言う

「まだ撮らないでーー」

 そして目一杯のオシャレをしたジャスミンと二人で家を出た。
 僕の服の袖を掴みながら歩くジャスミンはいつにも増して上機嫌だった。僕の袖を引っ張る微かなジャスミンの力がジャスミンの存在を熱く感じさせた。その微かな力が僕の心を“ギュ“っと潰す。この東京の人混みの中で僕たちだけの風がここには吹いていた。少し時間が経ち、目的地の東京ドームシティーに着いた。

 夕暮れどきの太陽がもう寝かしてくれと、光るのをやめようとしていた。そして派手好きのイルミネイション達が、競争するように光っていた。幾重にも重なった光達がジャスミンを照らした。主役を後押しするように。ジャスミンは笑っていた。

「キレイね」 

 そう呟いて。そんなジャスミンを僕は思わず写真に撮ってしまった。忘れたくなかったから。興奮しながら、ジェットコースターの感想を言い合うカップル。あれもこれもと、いろんなお店の買い物袋を嬉しそうに抱えるカップル。それぞれの恋人達が、それぞれの幸せを形にしていた。お金の無い僕たちは、アトラクションなんて一つも乗れなかった。ただアトラクションを見上げて、

「次に来た時はあれに乗ろう」

 そう約束しながら歩く。ただそれだけのデート。それなのに、ジャスミンは嬉しそうに僕に抱きついて言う

「ありがとう連れて来てくれて。」

 そう言うジャスミンが素敵だった。そんなジャスミンの言葉と表情が、僕の心の内側に汗をかかせた。そしてジャスミンは僕に抱きついたまま顔を僕の背中に埋めって、

「I love you」 

 そう言った。小さなかすれた声で。その言葉を聞いた僕は、聞こえないフリをした。 
 夜もふけ、二人で安い居酒屋に行く。小さなテーブルを持て余す 数のお皿が並ぶ。周りには、これ見よがしに大きな声で話す若い団体が座っていた。いつもどうりにあまり会話をしない僕と、ジャスミン。ただ、ジャスミンが食事を口に運ぶのを見ながらお酒を飲んでいた。数時間が経ちジャスミンが突然言った。

「隣の席、あの男の子すごくかわいい。」

 それを聞いて僕は言った。

「そうだね」

 そう言った。ジャスミンは続ける。

「本当にかわいい。あんな男の子が好き」

 そして、僕は意図せずに笑顔で言った。

「かわいいね」

 そんな僕の言葉を聞いてジャスミンは、吸いかけのタバコをじっと見ていた。しばらく黙って、タバコを見たまま目を細めてジャスミンが言った。

「私、あの人の事かわいいなんて思ってないよ。怒って欲しかった。あなたに。、、、、ごめんなさい。」
「ごめんね」
「あなた私に全部くれる。でも、愛してる。それだけくれない」 
 僕は何も言わなかった。

 僕は自分の部屋で目が覚めた。僕の左腕の中にジャスミンがいた。僕の左腕は、ジャスミンの場所になっていた。僕が眠たい細い目を擦る、ジャスミンはパッチリと大きな目で天井を見ていた。
 独り言のようにジャスミンが言う。

「もし私が遠い場所に行ったら、あなたはどうする。」

 その言葉を聞いて僕は、長く考えて言った。

「全部忘れるよ」

 その言葉を聞いたジャスミンは長く黙ったそしてジャスミンが言った。

「私なんで泣いてるか分からない。ごめんなさい。何も考えないで」

 ジャスミンが鼻を啜る音が、音の無い部屋に広がる。ジャスミンは僕を見つめていた。丸くて大きな瞳で。唇を噛みながら。血が出るほどに。 
 僕は後で知る事になる。
 ジャスミンはこの時ミャンマーで一人暮らしをしている母親に、もう国に帰って来てくれと頼まれていた。腰を悪くしたお母さんは、一人で暮らすには年齢的にも限界だった。お母さんの事を思うと、今にでも国に帰りたかった。しかしジャスミンはイスラム教徒だった。厳格な仏教徒のミャンマーでは暮らし辛い。そして唯一のコミュニテーのイスラムの中でも、同性愛者のジャスミンは差別を受けてしまう。そして、お母さんにも差別を。ミャンマーに帰ったら、男として生きなければならない。そして理由がもう一つ。僕に出会った事。
 そんなジャスミンが言ったのだった。

「もし私が遠い場所に行ったら、あなたはどうする。」

 そんなジャスミンの事を何も知らない僕は残酷に言ってしまった。 
「全部忘れるよ」

 ジャスミンが自分で涙を拭いながら言う。事実を隠して。

「私なんで泣いているのかわからない。ごめんなさい。何も考えないで。」

 そしてジャスミンは僕の顔を触った。温度を確かめるように。顔を触りながら僕を見つめて涙を流すジャスミン。僕の唇をなぞりながら、心に張り付いた言葉を無理に剥がすように、辛そうに言った。

「私に優しくしたのは死んだお父さんとあなた、二人だけ。、、、、ありがとう。それだけ言いたい」


 僕は答えを出せずにいた。ジャスミンとは曖昧な関係が続いていた。ジャスミンから 贅沢な 愛の言葉をもらっても、僕は「ありがとう」そんなずるいお返ししかできなかった。友達以上恋人未満この言葉はウキウキする関係だと思っていた。僕は知らなかった、こんなにもどかしくて。こんなにも悲しみを孕んでいるなんて。ジャスミンとすごす時間は楽しかった。しかし、曖昧な関係が長引くにつれて、“楽しいけど“  “でも楽しい“ と余計な物がつくようになっていた。真っ直ぐに求めてくれるジャスミン。そんなジャスミンを裏切っているようで、楽しさに罪悪感が帯びてしょうがなかった。何度も、ジャスミンと付き合ってしまおうか。そう考えが頭をよぎった。

 その度に、ジャスミンの体が男の子。その事実が僕の考えを何処かへ消してしまう。もしジャスミンと付き合うなら、親にはなんて説明をすればいいのか?友達にはどうだ?もしも仮に例えば、ジャスミンと本気で付き合うのなら、僕は結婚という選択肢を捨てる事になる。そして、自分の子供の顔を見ることができなくなる。当たり前にくるであろう幸せの多くを諦める事になる。そしてジャスミンは外国人だ。ジャスミンの家族はどんな考えと文化を持っているのだろうか?二人を認めてくれるのだろうか?ずっと日本で暮らせるのか?考える度に、何処かにいる普通の女性と一緒になる。その選択が一番いいんだ。そんな命令を僕の頭が下す。

 ジャスミンにハグされる度に身体中に広がる痺れと熱。毎晩ジャスミンにキスで起こされる事を期待して眠りにつく。僕はこの不思議な感情が愛なのかが判断できなかった。そして、僕はジャスミンの前で勃起をした事がなかった。その事実は残酷だった。神様は僕にジャスミンと結ばれる運命を用意していなかったんだ。そう考えさせる。心と体が別々の場所に行こうとして、自分が自分でいられなかった。そして僕は答えを出した。

 ジャスミンともう会う事をやめようと。

 その日の夜僕の家でジャスミンと食事をしていた。これが最後に見るジャスミンの姿。そう思うと、口に運んだ食事は何も満たさなかった。きっとジャスミンも何かを感じ取っていたのだろう。いつになく暗いジャスミン。二人の間に嫌な緊張が走っていた。ただテレビの雑音がこの部屋を満たす。ジャスミンが食事の手を止めて、何かを言いたげに僕を見ていた。先に僕が言葉を出した。重たい言葉を精一杯の力で出した

「聞いてジャスミン」
「なに?」
「僕はお金もないよ。時間も無いよ。ちゃんとした仕事も無い。
 僕は、あなたが好きになるような男じゃ無いよ。だから、、、」

 僕が言い終わるのを待たずにジャスミンが言う。

「お金も時間も仕事だって、全部関係ない。だから私は今日もここにいる。」  

 ジャスミンが泣きそうな声で、下を向き首を横に振りながらそう言った。叫びのような小声で。そんなジャスミンの言葉を聞いて僕は言った。

「ありがとう」

 僕は生まれて始めて嬉しくて泣いていた。
 ジャスミンのその言葉と気持ちが僕に勇気をくれた。僕は言った。

「じゃあ今日から僕たち付き合おうか。」
「つきあう?なに?」
「明日も一緒にいる約束だよ。」

 ジャスミンは泣きながらそんな事をいう僕を見て。困ったように目を丸くしていた。僕がジャスミンに抱くこの気持ちが愛なのかはわからなかった。でもいつかジャスミンが教えてくれるだろう。二人だけしか辿りつけない愛の場所を。そんな光がこの瞬間微かに見えた気がした。

 二人は食事を再開した。何も変わらずにあまり話さない二人。ただテレビの音が部屋を満たしていた。そして食事を済ませ僕は夜勤のバイトに出かける。ジャスミンを僕の部屋に一人残して。解体工事のバイトが始まって一時間、僕は壁のボードを壊すために握ったバールを肩に担いで物思いにふけていた。

 今日僕はジャスミンと付き合ったんだ。今日からはこの気持ちを全部ジャスミンに伝えてもいいんだ。会いたい時に「会いたい」といい。かわいいジャスミンに「かわいい」と言い「愛している」そうジャスミンに言ってもいいんだ。僕は有頂天だった。今日からはジャスミンを喜ばす行為に限度が外れたんだと。僕は重たい鉄のバールを振り回して笑っていた。

 その時僕は自分が犯したミスに気がついた。まだジャスミンに愛していると伝えていなかった。こんなに大事な事になぜ気がつかなかったんだ。そもそも、ジャスミンと付き合った記念日になぜバイトをしているんだ。急いで時計を確認すると終電はまだ、過ぎていなっかた。僕は慌てて職長の元へ行った。

「職長。すみません具合が悪いんで帰らせていただいてもいいです  か?」 
「嘘つくなよ。お前めちゃくちゃ笑顔じゃんか」
「無理してるんです。インフルエンザかもしれません。」

 僕はそう言って。工事現場を出た。そしてヘルメットを被ったまま走った。今からジャスミンに愛していると伝えに帰るんだ。やっと言ってあげれるんだ。そう思いただ走った。そして電車に飛び乗って。流れる汗の心地良さを不思議に思っていた。そして最寄駅を一つ過ぎた駅で降りてピザを買いに行った。ジャスミンはピザが好きなので買って帰りたかった。ピザ屋さんに入る僕。Lサイズのピザとチキンそれにポテト、そんな買い物はできなかった。お金の無い僕にはSサイズのピザが一枚それだけしか買えなかった。もっと豪華にお祝いをしてあげたかった。しかし僕にできるのはSサイズのピザが一枚だけ。ジャスミンは喜んでくれるだろうか?僕はピザが冷めてしまわないようにピザを抱えて走って帰った。

 家の前に着くと部屋の電気がついていた。ジャスミンは起きている。ジャスミンに愛していると伝える時に僕はどんな顔で言えばいいんだろうか。そう考えると、急に緊張して来た。自分の家のドアを開けるのがこんなにも恐ろしい時が来るなんて思わなかった。そもそも僕はジャスミを愛しているのだろうか?ただ舞い上がっているだけなんじゃないのだろうか?もしジャスミに愛していると言ってしまったら後戻りはできない。ピザまで買って自分は何をやっているんだろうか?ドアノブにかけた手が動かなかった。アパートの前でタバコを一本吸って考えた。愛しているかどうかは、ジャスミンの顔を見れば分かるんじゃないか?そう心を落ち着かせ、勇気を出して自分の部屋のドアを開けた。するとジャスミンが大きな声で言った。

「何で帰って来たの?」

 部屋の中には裸のジャスミンと知らない男が裸でいた。ジャスミンは付き合った記念日に浮気をしていた。

「何で?」

 僕はそう小さく呟いた。。まるでテレビでも見ているようだった。この光景に現実味がどうしても帯なかった。怒りも悲しみも無く、ただぼーっと立っている僕。その男は二十歳そこそこで、見た目は僕そっくりだった。ジャスミンが慌てて服を着ていた。その男は裸のまま、ただぼけっと僕を見ていた。僕も黙ったままだった。
 部屋のこたつを見るとLサイズのピザが二つと沢山のチキンとお酒が並んでいた。
 “ピザまでイカれてますやん“
 そう心の中で叫んだ
 その男が僕に嫌な言い方で言う

「何ですか?」

 僕はその言葉を聞いて、頭に血が上った。色んな感情が一気に頭を駆け巡って、僕が大切に抱えていたピザを床に叩きつけてその男に叫んだ。

「僕だってLサイズのピザを買いたかったんだからね」

 そう叫んだ。もう訳がわからなすぎて言葉にできない言葉を叫んで家を飛び出した。

「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 と叫びながら。そして僕は歩いていた。走っていたのかもしれない。何も考えることができず、自分が息をしている音をただ聞いていた。

「ご注文は?」

 そう言う年配の女性の顔を見て自分が、マクドナルドにる事に気がついた。その女性が不機嫌そうに僕に言った

「あのぉ、ご注文は?」

 僕は言葉が出なかった。何か口に入れたい訳ではなかった。ただ明るくて寒さが凌げる場所が目に入ったので、気づいたら入っていた。それだけだった。

「ぽ、ポテト」

 そう言葉が出た。年配の女性が僕に言う

「サイズは?」

 サイズ?僕には何の事かよく分からなかった。何も言わない僕に年配の女性が大きな声で言った。
「だからサイズ」
 大きな声を聞いて、ずっと我慢していた涙が一気に出た。もう自分では止められない量の涙が流れ落ちた。年配の女性が驚いて言った

「何で何で何でえ?何で?」

 泣きながら僕は言った。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

 そんな僕の言葉を聞いたのか、裏からパーカー姿の店長らしき男性が走って来て年配の女性に聞いた。

「どうしたの?」
「私がサイズを聞いただけなんです」
 そしてその男性が僕に聞いた。

「どうされました?」

 僕は泣きすぎ上手く言葉が出なかった

「あの、、Lサイズを買おうと思ったんですけど、、、Sサイズ しか買えなくて、、、お金がなくて」
 男性が言った
「それで泣いてるの?」
 続けて男性が言った
「じゃあLサイズのポテト出しちゃっていいよ」
 僕は言った   
「ピザです」
 男性が言った
「ピザ屋行けよ」    
 僕は店を飛び出した。
「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
 と叫びながら。

 誰もいない公園のベンチに座り寒さに震えながら僕は考えていた。ジャスミンが他の男と肌を重ねるなんて。あんなに好きだって言ってくれたのに。あんなに苦しんで付き合う決心をしたのに。俺だけじゃダメなのかよ。あんなに楽しそうに笑っていたのに。俺以外の人の前でもあんなに美しく笑っているのだろうか?
 何でだよ。同じ問いを何度も頭の中でくり返した。そして僕はジャスミンにラインを送った。

 “もうあなたの声を聞きたく無いです。もうあなたの顔を見たく 無いです。“

 そうラインを送った僕は泣いていた。何時間も泣いていた。そして気がついた。まだジャスミンの声を聞きたいから泣いている自分に。まだジャスミンの顔を見ていたいから泣いているんだと。こんな事をされても、僕は今ジャスミンに会いたくてしょうがなかった。ジャスミンの浮気が僕に教えてくれた。僕はジャスミンを愛していると。浮気をされてもこんなにもジャスミに会いたいんだ。きっとこの先どんな事が起きても、僕はジャスミンを愛し続けれる事ができるんだ。清々しかった。僕は走っていた。早くジャスミンにこの気持ちを伝えたかった。もうなんの迷いもなかった。家の前に着いた。部屋の明かりがついていた。ジャスミンはまだ起きている。ジャスミンに愛していると伝えたい。もう僕に緊張なんてなかった。
 部屋のドアを開けた。

「びっくりしたーー」

 知らない男がそう言った。その男はまだ僕の部屋にいた。しかし、今の僕には待ったは無しだった。もうそんな事でいちいち驚かなかった。先送りになんてしたくなかった。僕は真っ直ぐにジャスミンを抱きしめて言った。

「愛してるよジャスミンずーとずーとあなただけを。」  

 知らない男が言っていた。何かを言っていた。しかし、今の二人には、そんな言葉は届かなかった。ジャスミンはただ泣いていた。びっくりするほど大きな声で。ジャスミンがクシャクシャになった顔で僕にキスをして言った。

「私も愛てる。チッテとてもとてもチッテ、ミャンマーの愛してるの言葉」

 僕は言った。涙を拭おうともせずに言った。

「チッテ ジャスミン。とてもとてもチッテ」 

 そしてジャスミンがあまりにも大きな口を開いて泣くので僕もよけいに涙が出た。我慢せずに大きな口で二人で泣いた。涙で濡れる僕の瞳にジャスミンが自分の瞳をくっつけた。知らない男がそれを見て言っていた。

「俺彼氏いるの知らなかったんですよ」

 そんな雑音は気にもならなかった。今はただジャスミンに愛していると伝えられたその事が嬉しくて嬉しくてジャスミン以外は何も感じたくはなかった。やっとここまで来れたんだ。色んな種類の勇気を出して。ここまで来たんだ。色んな種類の優しさをジャスミンに貰って、ここまで連れて来てもらった。僕がこの腕で抱きしめるジャスミンの温度。これが僕の愛なんだ。僕たちはこの瞬間幸せに近づいた。そう思った 誰にも祝福なんてされない恋。でも二人だけが知っていればいい。この涙の理由は。


 後書き

 知らない男が俺に言った。
「俺帰りますよ。」
 僕は言った。 
「何でだよ。もうちょっといろよ」
「え?何でですか?俺本当に彼氏いるの知らなかったんですよ」
「は?そんな都合が通るわけねぇだろ。この部屋見たら分かるだろ。俺の服に二人の写真が飾ってあんだろ。それで彼氏がいるの知らないで逃げれるかよ。なぁ」
「はい」
 僕はこの男に一つだけ聞かなくてはならない事があった。僕は言った。 
「お前どんなsexしたんだよ。」
「何言ってるんですか?」

「俺まだ彼女とした事ないんだよ。だから聞かせろよ。」
「何でですか?」
「いいから。絶対に怒らないか。教えろよ。彼女の口からは聞きたくないんだよ。だから教えろよ。絶対に怒んないから。なぁ」
「え?じゃあ、、、、え?マジっすか?」
「怒んないから」
「普通ですよ。」
「普通って何だよ。どんなsexしたんだよ。」
「じゃあ、言いますけど。あの、、ローション使いました。」
「ローション。は?ローション使ったの?お前ふざけんなよ。おい。明日も使う布団だぞ。お前、他人の布団でローション使っていいわけねぇだろ。おい」
「でも、聞いてください。聞いてください。これ、苺味のローションなんですよ。」
「じゃあいっか、、、、てっなるわけねぇぇだろバカ帰れ。」
 そして知らない男は帰って行った。この男がまたジャスミと肌を重ねるのは後の話だ
 

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